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もう一度、バイクに乗った理由 [腕神経そう麻痺]

naze1.jpg


今回は『バイクに乗る理由』についての話です。
ちょっと長いので、暇な時に読んで頂ければ幸いです。


事故で右腕を壊し、一時は機能回復は絶望的と言われていたのに、
どうして、『もう一度バイクに乗ろう!』と決めたのか?
その理由が自分でも分かりません。

『何故だろう?』

再びバイクに乗った理由がなにか?
事故から10年以上も過ぎた、今になっても時々、悩んでいます。

今でこそ「何でバイクに乗っているの?」と聞かれたら、
『全身でバイクを操って走るのが楽しいから』と、即答するでしょう。
でも、再びバイクに乗ることを決めた瞬間に何があったのか?は分かりません。

この記事自体も、昨年の11月に下書きを始めてから、
長らく未完のままだった位ですから、
今でも自分の中で『気持ちの折り合いがついていない』のでしょうね。


以前の記事にも書きましたが、
現在の私の右腕は「機能50%損失」まで回復出来ました。
でも、アクロスに乗った時点では、事故から1年も経っておらず、
『右手首の一部と中、人差、小指の3本』のみ動く状態でした。

神経移行手術は成功しましたが、神経が繋がったかの結果が出るのは遥か先。
当然、バイクどころか、自転車も乗れない状況でした。

それでもバイクに乗ろうというのは、当時を振り返っても、とても正気とは思えません。


そもそも、私がバイクに乗り始めたのは『移動手段』としてです。
「バイクに乗るのが好きだから」でも、
「走るのが楽しいから」でもありません。
単純に自転車よりも便利だから。
その程度の理由です。

それが、いつの間にか「バイクに乗る楽しさ」が、
自分の生き方の根幹になっているから不思議です。


では話を戻しましょうか。

普通なら腕に障害を持ってしまったら、
「バイクではなくクルマ」に乗えうかえようと思うでしょう。
というか、それが当たり前。
なぜ、この発想が無かったのでしょうか?
腕だけでなく、アタマも壊れていたのかも知れません、、、


事故後の入院中を振り返ると、こんな事がありました。
手術から1週間すぎて、集中治療室から一般病棟に移った後に、
出歩けるようになったので、病院の向かいにある本屋に買い物に行きました。

もちろんキズを痛めないように、すぉーーーっと歩いてです。

買ってきたのは2冊の雑誌。
1冊は軽自動車の「カプチーノ」の特集号。軽のATスポーツ車だから納得。
しかし、もう一冊は「何かのバイクの本」
たしか別冊モターサイクリストだったような、、、

手に取った理由は自分でも分かりません。

病室に戻った後の反応は、
同室の患者さん、ドクター、看護師さん、みんな揃って同じ意見。

『バイクバカは死んでも治らないねぇ』
自分でも『イカレテル』と思います。

手術後、神経が繋がる迄は右腕が固定されているので、
バイクに乗れるどころか、手術が成功したか?どこまで動かせるか?
何一つ、分からない状態でした。

それなのに『無意識にバイクに乗るんだ!』と思い続けていた。
実に不思議です。


当時の自分を振り返ると、考えの根拠はコレがあったからでしょう。

①マイケル・ドゥーハンさん
ドゥーハン.jpg
ご存知の方も多い、90年代のGPレーサー。
レース中に右足切断も危ぶまれるほどの事故にあうも、
左ハンドルにレバー式リアブレーキを装着し走り続けた、不屈のチャンピオン。

②ホンダ・フュージョンさん
フュージョン-blog.jpg
Rブレーキはフットベダル。
左ハンドルはレバー無しなので、
右ハンドルからレバー、アクセル、スイッチを左側に移設可能。


これら↑が記憶にあった事もあり、
『これなら片腕でもコントロール出切るんじゃないか?』
やれば出切る!と判断したのかもしれません。


でも、本当に片腕でバイクを完全にコントロール出来るのか?安全に走れるのか?
何一つ答えは分かりません。

その頃は、インターネットが普及し始めたばかりの時期で、
検索しても必要な情報は簡単には入手出来ません。

海外では「片足切断でもトライクに乗るライダー」がいることや、
元ライダーで「下半身不随の四輪レーサー」がいることを知りましたが、
いくら探しても、同じような「腕に障害を持つライダー」の情報は見つかりませんでした。


『じゃあ、自分で実験しよう!』


結果として、ライダー復帰が出来たから良かったものの、
転倒、事故にあえば「良くて半身不随、悪けりゃあの世行き」と、
当時の主治医からも言われていたので、
若さゆえの過ちというか、坊やだったからなのか、
無謀な挑戦をしたものです。



さて当時の振り返りはこれ位にして、
事故から18年経った、今の時点の考えも話しておきましょうか。


『やっぱり無謀な挑戦だったかな』


片腕でもバイクを走らせる事は可能です。
白バイの訓練でも「片手でジムカーナ」的な実習をしているので、
操作に慣れれば片手でも走れます。

でも『いつでも安全に走行できる』かという点には、疑問が残ります。

片腕もしくは片足で不随で操作するには、「二輪車であるオートバイ」はリスクの高い乗り物です。
私自身も事故にはならなかったものの、
濡れた路面で滑りハイザイド。
ギャップにハンドルをとられる。
急ブレーキでバランスを崩し転倒寸前。
etc、、、
このように「ヒヤリ・ハット」は日常茶飯事です。


だから、今は身体の不自由な方にバイクに乗る事を『無条件』には勧めません。

何でバイク(二輪車)に乗りたいの?
四輪車じゃ駄目?
オープン車でも嫌?
トライクという選択もあるよ。
fuoco500.jpg

相手が誰であっても、1度は全力で阻止します。

バイクは楽しい乗り物です。
でも、常に危険と隣合わせの楽しさなのです。
だからこそ、
「楽しさと危なさの諸刃の剣」なことを知っていて欲しいのです。


私ごときを説得し看破できずに、
中途半端な気持ちでバイクに乗るのは、
死神を後ろに乗せて走っているのと同じ事だと思います。


それでもバイクに乗るのを諦めず、
他者よりも「負傷・死亡のリスクが格段に高い」ことを納得し、
その上で、少しでも安全で楽しくバイクに乗りたい!という意思を示したならば、
私は、助力を惜しみません。

たとえ一人では出来ないことでも、
何人もの力を合わせれば、夢を現実に変えることは不可能ではありません。


『バイクに乗っているのはナゼ?』

貴方なら、なんと答えますか?


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クリスマスですなー [オートバイ・全般]

クリスマスといえば「赤白のサンタ&トナカイのソリ」ですね。

そして我が家のバイクは『見事にクリスマスカラー』です。
これをクリスマスのネタに使わない訳にはいきません!
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実はこれ、クリスマスカード用に『1年前に撮影』していたものです。
昨年は使うタイミングを逃してしまったのでお蔵入り。
1年待って、ついに公開です。

実際は「晴天の富士山をバック」に山中湖の湖畔で撮影していたのですが、
トリミングしたら、富士山が消えました。
何のために寒い中を走って行き、晴れ待ちまでしたのやら。
冬の湖畔は寒くて泣きそうでしたよ、、、

ちなみに当日の富士山は、こんな感じでした。
spt1224-2-blog.jpg


ちょこっとでも、笑いのネタになれば幸です。
m(゚▽゚* ) メリークリスマス!
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駐車違反 [オートバイ・全般]

警察がキレルとこうなるらしい。

駐車禁止1-blog.jpg
駐車禁止2-blog.jpg

都心部だと自転車ですら、この状態。

バイク用の駐車場も増やしてもらわないと、
非常に困るんですけどねぇ、、、

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記事修正のお知らせ [腕神経そう麻痺]

osirase-1-mini.jpg


第1回の記事、「片腕の壊れたライダーの話」
http://kous-dc.blog.so-net.ne.jp/archive/20131001

上記の記事について、
内容の加筆、修正を行いました。

すでに読まれた方も多いと思いますが、
今一度、お読み頂ければ幸いです。
 
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ノル・ハシル・タノシイ その2 [オートバイ・全般]

カタナ750から乗り換えて、以後12年、8万kmを乗るのはコレ。
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スポーツスターXL200S。99年式のツインプラグ型。
上の画像は米国HD社のHPの883の画像を加工したもので(著作権的にアウトだね)
購入したのは↓のように「ビビットブラック」です。

アップハンドルのバイクなら何にしよう?と悩んだ結果がこれになりました。
無理せず気取らずに乗れるから、これを選択。
ドコッドコッとのんびり走ろう!と思っていました。この時点では、、、


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新車の完全ノーマル状態だと、
色々と不満があるので、慣らしが終わると同時に第2次カスタムを決行します。

えっ、「第1次」はどこにいったって?
実は納車前に外装パーツを交換しています。
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これはマフラーも黒くなった2000年式。
99年式とはマフラー以外は同じです。

外装パーツがブラック、エンジンがサンドブラスト仕上げなのが標準仕様。
これ↑を旧モデルのポリッシュ仕上げのパーツと交換しています。
理由は「光っているほうがカッコイイ」から(笑)
納車前に交換だと工賃無料だったせいでもあります。


そして第2次カスタム。
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オイルクーラー。
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ハンドルをインチバーから細いミリグリップへ変更。
同時にレバーも細いものに交換。
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ジョッキー製ニーグリップバーを装着。

さらに乗りなれた頃に、第三次カスタムへ。
キャブレターのセッティング変更と「しなやかFサス・スプリング」を交換。

車両はディーラーで買いましたが、メンテ全般は西荻窪の『ジョッキー』の新井さんにお願いしています。
実用的なパーツを作っているので、スポーツスター乗りにはお馴染みです。
腕が良いので、ちょくちょくお世話になってます。

ここから後は、何か壊れると修理を兼ねて改造していきました。
走行不能の故障はありませんが結構壊れます。
さすが米国製品。


一回目の車検が終わったのでマフラーを換えました。
ss4.JPG
スーパートラップのアップツインはカッコイイね。
交換した初日にステー(不良品でした)が折れて、
サイレンサーを交差点の真ん中で落としましたが、、、
いきなり排気音が爆音になったので焦った焦った。
さすが米国品質。


マフラーを換えている途中で、ドライブベルトが切れ掛かっているのを発見。
切れないようにチェーンドライブ化。
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チェーンにしたので、Rサスも「ダイナミックサス・15inc」と長いものと交換。
これでコーナーで寝かしても簡単にガリガリしません。

「ダイナミックサス」はナスカーなどの四輪レースで使われており、
海外では高性能のメジャーな製品ですが、日本では知名度が低いです。
このサスを見た人は大抵、「なんでオーリンズじゃないの?」と聞いてきます。
あえて定番を選ばないのが隠れたオシャレです。

メディスンバッグには「パンク修理キット」が入っています。
ハーレーには工具どころか、車検証を積むスペースすら皆無ですから。
さすが米国気質。


そして購入から3年経過。
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ストリートドラッガー仕様の完成。

以後、次の車両に乗り換えるまでは、
この姿のまま細部の変更と修理を繰り返しながら乗り続けました。
ビキニカウルを新造したり、シングルシートにしてみたり。
手のかかる子ほど可愛いといったところでしょうか。


当初の「ゆったり走行」の予定はどこへ行ったのやら。
気がつけば、走る気いっぱいの姿になってしまった、、、
でも峠を飛ばせるので、ガンガン走るのは面白かったです。

晴れでも雨でも雪が降っても走っており、
気が付けばカタナに乗っていた頃よりも、ハイペースで走れるようになっていました。

たまには走るのも休めと『赤い紙』をプレゼントされたのも、この頃だったなー。


長い間乗り続けると、色々と故障やトラブルがありましたが、
さすがハーレーだけに、エンジン自体の耐久性は凄いですね。
12年乗ってエンジンをバラスOHも無しです。

ちなみに経験した目立つトラブルは、こんな感じです。

・ドライブベルト切断で走行不能。
・オイルシール破損で、何度も白煙&ダダ漏れ。
・バッテリーケーブル破談。
・ヘッドライト内で配線が焼ける。
・マフラー脱落。
・スピードメーターの故障で針が勝手に動く。
・シート裏のフレームが錆びて穴が開く→溶接で補強。

日本車ではおこらない事ばかりです。
これで走行不能でレッカーの世話にならなかったのは奇跡です(笑)


国産に比べて頻繁にメンテは必要ですが、
ちゃんと整備して定期的に消耗品を交換していれば、
いきなり走行不能になる事は無いですね。
バイクそのものの耐久性は、スコブル高いです。
さすが米国の底力。

さすが数十年前のハーレーが現役で走っているだけの事はあります。

それでも10年以上使っていると、
電装系やゴムパーツ、オイルシールの劣化が多く、
交換部品を集計すると、事実上のフルOHが必要になりました。
その費用、ざっと数十万、、、費用対効果+今後の維持費の増大を考えると、
乗り換えも検討せねばなりません。


そんなタイミングで『心にズキュンとくる車両』に出くわしました。
その時はスポーツスターのOHの検討中だったので、乗り換えは見送ました。

しかし半年後に同じ車両が特別仕様で限定販売される事を知り、
今度はディラーに直行!
『コレは運命の出会いだ!』と乗換えを決心しました。


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スポーツスターさん、キミはよく壊れたけど長い間頑張ってくれて有難う。
これからも新しい相棒と走り続けるから、応援してください。
 
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ノル・ハシル・タノシイ その1 [オートバイ・全般]

前回までは事故で右腕を壊したのち、再びオートバイに乗るまでの顛末を書きました。
一区切りついたので、今度はライダー復帰後に話を進めましょう。


限定解除して免許問題も解決して、最初に乗ったのはコレ。
SUZU.GIF
GSX750S・カタナ。

画像が荒いねー。
1997年頃は『デジカメ10万画素スゲー!おまけに高額!』と言っていた時代で、
デジカメではなく、フイルムカメラの写真をスキャンしていました。


saiko.JPG
このカタナは82年式の初期型。悪名高き、耕運機ハンドルが付いていたモデルです。
当然、速攻でセパハンにしました。
今でも大好きなバイクで、ずっと乗りたいと思っていた車両です。

当時はリッターバイク全盛期だったので、15年落ちの古いナナハンは格安でした。
車検付き現状販売で19万8千円(笑)
セパハン化と最低限の整備費を加えても30万くらい。
不人気バンザイ。

右腕が不自由な状態で、どこまで扱えるのか分からなかったので、
高額のGSX1100Sは買えませんでした。
もっとも大型初心者には、750カタナでも十分に「怒涛の低速トルクでハイパワー」ですけどね。


よくカタナは『重い・曲がらない・止まらない』と言われますが、個人的には『そんな事ない』です。
スポーツマシンに比べたら限界性能は低いですが十分に走ります。

「フルブレーキでコーナー進入→一気に寝かせる→フル加速」 
これは無理。たぶん死にます。
「適切な速度でコーナー進入→しっかりニーグリップで寝かせる→速度落とさずに脱出」 
これは問題無し。

ハングオンの「レプリカ乗り」ではなく、「減速は最小・ニーグリップ重視」の走りならOKです。
ようは腕でハンドルをこじらずに、体重移動とニーグリップで曲がる基本的な乗り方をすれば平気。
結果的に片腕で走るには好都合の乗り方でした。


katana.JPG
カタナは2年乗って、2万キロ走りました。
暇を見つけては峠に行って、全身でバイクを操るのは楽しかったなー。
速くは走れないけど面白かった。
『もう一度オートバイに乗れて良かった』
そう心から思いました。


しかし大柄なセパハンマシンでは、上体を支えるために嫌でも腕に負担が掛かります。
ツーリングに行くと、走行距離が150kmで腕に痛みが出始め、200kmで身体の限界がきます。
無理すると車体のコントロールが出来なくなるので非常に危険。
『再度、事故で負傷したら二度とバイクに乗れない』
非常に悩みました。

「走る楽しさ」を失わないために、身体の負担が少ないバイクに乗り換える事に決意しました。
カタナ、今までお疲れ様。

次回の新しい相棒へ続きます。
 
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バイクに乗り続けるということ [障がい者]

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何故、ろくに右腕が動かないのにもかかわらず、バイクに乗るのか?
理由は簡単、風を切って走るのが楽しいからです。

皆さんは、何故、自分がバイクの乗るのか考えたことがありますか?

周りにいた友人達がバイクを降りていくなかで、
何故、自分だけがバイクに乗り続けているのかと、考えたことはありませんか?

事故の以前の私は400ccのレーサーレプリカに乗っていまたが、
帰省に使う以外は、たいしてツーリングに行くでもなし、峠で膝を擦るでもなし、
通学の足に使う、文字どうりのちょい乗り専門でした。

それがどうして身体が不自由になってから、
休日だけでなく、時間を見つけては走りに行くようになったのか。


以前のGOGGLE誌のコラムに、こんな一節がありました。
『いい歳してバイクで死ぬのは、事故死ではない。死を賭けて乗っているのなら、それは”自殺"である』
そして、もう一文、
『やけでバイクに乗って死に囚われるのは、自殺ではなくバイクに殺されたのである』とも。


バイクは全身で走る楽しさを味わえる道具です。
でも、常に安全な道具ではありません。
『走る楽しさ』の直ぐ裏側には『死の影』が同時に存在します。


私自身、いつも自分のすぐ傍らに死を意識しながら生きています。
大袈裟に聞こえるかもしれないし、年寄りじみているとも言われるが、
現実にいつも感じることです。

事故に遭って意識不明の間、私は『死の影』を感じました。
恐怖とも安らぎとも違う奇妙な感覚でした。
果たして、これが『死というもの』なのか分かりませんが、
そのまま目を覚まさなければ死んでいたそうです。

我々は『死ぬという現実』を恐怖や不安とともに特別な存在であるかのように考えがちです。
だが、現実には死はいつも我々のすぐ側に在るのです。
そして、常に傍らの死を意識するからこそ、
生きていることも実感できるのです。


話は戻りますがが、
私がバイクに乗り続ける理由は「バイクで走るのが楽しいから」です。

事故の以前からバイク好きの気持ちは変わっていませんが、
たとえ時間があっても「今、走らなくても後で幾らでも走れる」と思って走らなかった事が多かった。


毎日、ただ漫然と過していたためだと思います。


だが、今は毎日を生きていることを感じながら過ごしています。
死を身近に感じるゆえに、生もまた、身近に感じるからです。

それゆえに、いつ、死んでも後悔が無いように毎日を一生懸命生きたいと考えています。
だから自分の好きなこと、楽しいことを出来るうちに精一杯やっておきたいのです。


ちょっと偉そうなことを書いてしまいましたが、
現実には、人間ちょとやそっとで死にやしないし、毎日死ぬことばかり考えている方が健康に悪い。
しかし、私の場合はもう一度、同じような事故に遭遇したら、
今度こそ良くて手足の一本の無くすか、悪ければ半身不随になるのが決まっているので、
少しばかり気にし過ぎなのかもしれません。

人生、一回限り。
リセットもやり直しも効かないのだから、もっともっと今という時を楽しくありたいものです。
 
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お役所仕事の対応 [障がい者]

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以前に「二輪免許保持者が障がい者だったの免許更新時に免許の返納を求められた」という話題があり、
そこに私的コメントを書いたものを転記(一部加筆)しました。


警察にとっては『障害持ちのバイク乗りは事故を起こすリスクが大』という
先入観が前提にあるからでしょうね。


『どうせ無理して乗っても自爆事故起こすのだから、バイクに乗るのは止めなさい』とか、
『貴方のために親切に説明してるのだから言うことを聞こうよ』とか、
『そもそも片手だけでバイクに乗れる訳無いだろ』とか、
免許センターのの担当者にもよりますが、
大抵の障がい者の免許取得・更新では、上記のような事を言われ、
免許の返納を求められたり、大概は融通が利きません。


『不作為の作為』で意図的に面倒な事案を避けているように感じます。


私は18年前に、事故で右腕の「神経引き抜き」のために片腕麻痺になったのですが、
免許更新の時に、同じような話をされました。

当時は1回目の手術をした直後で治療継続中だったので、
まだ治療中ならという事で免許の欠格条項に関しては保留となり、
更新は問題無かったのですが、
『完治後に再度、適性検査をやります』
『不合格なら二輪免許は返納。どうしてもバイクに乗るなら、
乗車車両の改造後に、車両を持ち込んでもらい再検査する』と説明されました。


まあ、改造しないと乗れないなら適性の再検査や実際の運転能力の確認は、
安全な運転の為には仕方ない事だと思いますが、
「じゃあ、どんな改造すれば良いの?」と聞いても、
『個別の事案はプライバシーの問題で教えられません』
『必要なことは自分で対応して』と言われるだけで、
どないせいっちゅうねん┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ・・・と、途方に暮れたのを覚えています。


結果として、限定解除に挑戦して、
力技で二輪の適正検査と実技試験に合格し、運転許可を出させたので一安心でしたが、
不合格だった時には、その後の人生が様変わりしていたと思うと冷や汗がでます。

今でこそ、障がい者が免許を取る方法や、
個人ごとの障害にあわせた車両の改造のノウハウがネットで調べられますが、
当時は情報不足で、何をするのも手探りでした。


昨今ではバリヤフリーが進おり、役所の福祉相談も良い対応してくれたり、
自動車では『足一本でも運転できる特殊車両』が市販されていたりと、
世の中が障がい者の社会進出に前向きに変化しています。

どうして二輪車の運転免許に関しては、『身体に障害のある方の受験案内』の相談窓口が、
運転免許試験場ごとに存在しているのにも関わらず、
マニュアル的な対応のうえに前例主義で柔軟性もなく、統一基準も無く説明も不十分のまま。
今でも役に立たずの存在なのが不思議でしかたありません。

試験場や担当官によっては、障がい者の運転に対して、
もの凄く親身に対応して頂ける場合もあるのに、
別の場所では、前提として『基本的に対応はムリ』という姿勢をとっている事もあります。
この対応の違いは何なんでしょうか?
 

もう少し今の状況に即した、適切で有効なサポートをして頂きたいものです。
 
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クスグル・ワラウ [腕神経そう麻痺]

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今回は「肋間神経移行術」についての話です。
『何を・どうやって・こうなった』を解説してみましょう。


まず「肋間神経移行術」とは何ぞや?から始めましょう。


神経断裂で動かなくなった腕の関節(筋肉)に繋がる神経に、
「肺を動かす神経である肋間神経」を直結することで、
再び腕の間接を動かす筋肉に、肺を経由して脳からの命令が伝わるようにする手術です。

腕神経そう麻痺の治療では一般的な機能回復手法です。
最近は「DFMT法」という、より効果の高い治療もあります。
気になって方はググってもらうと、より専門的な情報が得られます。


私の場合は『肘の関節の曲げ伸ばし、左右への捻り』の
4方向への動きを再生する手術をしています。


話を「肋間神経」に絞りましょう。

これは文字どうり、肋骨と肋骨の間にある神経で左右6本ずつあり、
呼吸をする際に胸筋と肋骨を上下させ肺に空気を出し入れする機能を持っています。
ちなみに一番下の神経は、骨の間ではなく肋骨の下に沿うように存在します。
肋骨の下でも肋間とは、これ如何に。

移行手術の後、1年くらい経過すると、
肋間神経と腕の神経が繋がり始め、呼吸に合わせて腕が勝手に動くようになります。
息を吸うと肘が曲がり、吐くと伸びます。

もっとも、腕の筋肉は1年間も動かさなかったので、すっかり落ちており、
筋力不足で完全に曲げる事は出来ず、僅かに動くだけです。
それでもクシャミを連発すると、肘も連動してピクピク動きます。
ちょっとオモシロイデス。


しかーし、
呼吸と連動したままでは使い物にならないので、リハビリが必要です。

頭の中で腕を動かすイメージを考えながら、意識して呼吸をします。
ひたすら意識しながら繰り返します。

息をする「すーはー、すーはー」
肘関節も「まがーる、のびーる」

数ヶ月リハビリを続けると腕の筋力もUPしているので、かなり曲がるようになります。
この頃になると、肘の曲げ伸ばしが呼吸と連動せずに動かせるように変化します。
常に意識して肘の曲げ伸ばしを続けることで、
脳内での腕のコントロール回線が、
『脳→脊髄→腕の筋肉』から、
『脳→脊髄→バイパスした肋間神経→腕の筋肉』へと切り替わります。
伝達経路の切り替えがおきる事で、肘の動きを『自分でコントロール』出来るようになります!

いやー人体の神秘は凄いです。
さすが人体改造の成果ですね(笑)


もう一つ、肋間神経の移行手術をすると面白い事がおきます。

肋間神経は胸の皮膚感覚を脳に伝達する役目も持っているため、
脳内の伝達経路の切り替えられると、「皮膚感覚」も変化します。

肋間神経を切り離した部分の胸の皮膚は当然、無感覚になります。
それに対して、右肘に繋いだ肋間神経は腕の皮膚にも結合しようとします。
そのため、こんなこと↓がおきます。

『右腕をくすぐると、胸をくすぐられた感じがする』

それも神経バイパスした部分だけではなく、右腕全体で数箇所が感覚逆転しています。
とくに手首の内側を擦ると、わきの下がくすぐったい。

どんな神経の繋がり方をしたらこうなるのでしょう?
この中途半端な脳内伝達にも人体の不思議を感じます。

満員電車に乗ると隣の乗客と腕が擦れるたびに、当たり所が悪いとくすぐったくなります。
鳥の羽で脇腹をくすぐられながら通勤しているようなものなので、
ある意味で拷問です。


それと、手術後10年以上過ぎた、この夏になって意外な事実が判明しました。
皮膚感覚が逆転した部分は、日焼けすると焼け色が違ってムラになりました。
チタンマフラーみたいに綺麗に焼ければ良いのに、、、
 
 
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Re:Start その2 [壊れたライダー・再始動]

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限定解除の試験も、事前の練習の成果もあり、
4度目で合格しました!
事故前と合わせて、トータル11回の挑戦で勝利です。


個人的なハプニングはありませんでしたが、こんな事件はありました。

若い兄ちゃんが、試験官からの「ハイ、スタートに戻って」と不合格を告げられた際に、
どうも不服で『キレタ』らしく、
ステップを擦りながら高速で交差点突入

スリップダウンで転倒、バイクが横転してゴロゴロ転がる。

試験車両が大破。お説教のため連行される。

何事も無茶はイケマセン。


実技試験自体は問題は無しでしたが、
免許の交付の際に、一悶着ありました。


試験場の担当官から、
『右腕が動かないんでしょ?ちゃんと運転できそうに無いからダメ』、
『免許交付の前例も無いから』と指摘されました。

えーそんなのアリか?今までの苦労が無駄じゃん、、、
納得できないので、交付担当のえらい人を呼んでもらって協議です。

「どうしてもダメ?」
『運転能力に不安があるし、危ない運転して事故になったら、どうするの?』
話が平行線です、、、

そこで、ハッと気が付きました。
「実技試験に受かったのだから、運転能力は証明されたでしょ?」
「受験資格にも適合してます!事前の適正検査もクリアしてます!」
食い下がりました。
これが効いたらしいです。

担当官さんが、協議するから待っててと退室。
10数分経過。
オカエリナサイ。
回答は『法的には問題無いからOK』
無事、免許証の裏に「限定解除のスタンプ」が押されました。
あーホッとした。

お役所仕事だから、前例主義で頭が固いし融通が利きません。
自分の正当性を自分自身で証明しないといけないのは大変です。
電車での痴漢冤罪なみに苦労します。


何かと苦労しましたが、これで正式に『片腕のバイク乗り』の誕生です!


これで残すは「新たな相棒」を見つけるのみ!
でも、限定解除したら乗りたいバイクは決まっているんですよね。
我ながら気が早い(笑)

さーバイク屋さんを巡って、目指す中古車を見つけるぞ-。


<追記>
白バイの訓練メニューに『片手運転』があります。
それも、片手でジムカーナをするレベル。
実際に走っているのを見た時は、あまりの凄さで唖然としました。
試験場の係官さんも知ってて欲しいものです。

参考動画

・白バイ隊 片手運転 ワンハンドライディング
http://www.youtube.com/watch?v=U5P3bMg7EVc
・白バイ 片手走行 HD
http://www.youtube.com/watch?v=C7yimGAO_ws 
 
 
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