全てが変わった日 [腕神経そう麻痺]
1995年6月19日。
これが私にとっての「終わりの日」であり、「始まりの日」です。
この日の夜にバイクで事故に遭いました。
車道に飛び出した車の側面に突っ込み、
そのままボンネットの上を跳び越し、地面に投げ出されたらしいです。
「らしい」というのは事故当日の記憶が無いためです。
後で聞いた話をまとめると、こんな感じです。
・ノーブレーキで正面から激突。
・地面に強打、そのまま縁石まで転がる。
・飛んで転がり、飛距離は13m。
・直後に意識不明で救急搬送。
・乗っていたバイク「ZX-4」は大破・廃車。
これに乗り始めて1年くらいの頃でした。
唯一覚えているのは『世界が赤かった』ことだけ。
おそらく救急車の中で一瞬、眼が覚めたのでしょう。
意識が戻ったのは翌朝になってから。
この時点では自分に何が起こったのか分かりませんでした。
当時の私は美術系大学の3年生で工業デザイナー志望の22歳。
デッサンをしたり、デザイン画を描いたりの毎日を過ごしており、
未来に夢や希望が沢山ありました。
事故の翌日に眼を覚ました時、
ベットの上の身体が動かないのに気がづいても、
自分に何が起きているのか分かりませんでした。
何が起こったのかを知ったのは、精密検査の結果と事故の状況を聞いた後でした。
・左腕手首を骨折。
・右腕が麻痺で動かない。
・左足首と右肩の打撲。
・脊髄損傷の疑いあり。要・再検査。
説明されても理解出来ませんでした。
いや、信じたくありませんでした。
昨日までの生活が、もう二度と出来ない事。
未来への夢も希望も無くなった事。
嘘ではなく現実である事。
何も考えられません。
悲しいという感情も湧きません。
不安も恐怖も何も無い。
目の前が真っ暗な世界。
理解できたのは、ただ一つだけ。
全てが変わったという事実のみでした。
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