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何が特殊なの? [腕神経そう麻痺]

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このブログを読んだ知人から、
『どこら辺が特殊な症例なの?』と突っ込みが入りました。
面倒だから余計な事を言うんじゃな、、、いえ、何でもありません。

分かり易い例をあげて説明しましょう。


過去に前例が無かった、希少価値の高いレアな症例なので、
(この時点で十分、特殊だと思うのですが)
何か治療をするたびに、研修医の方々が団体で見学に来ます。
担当の先生も、治療の説明が『指導者口調になる』ので、
教育素材みたいな扱いをされます。

特に凄かったのは『抜糸』の時です。
足は普通に糸ぬいでしたが、
上半身は縫合時間の短縮のため『医療用ホッチキス』で100針+αは接合されました。
医療用ホッチキスの大量抜糸など、めったに経験する機会が無い治療なので、
まずは先生がお手本→残りは研修医が実習と、みごとに実験台にされました。

100数十本は針が刺さっているので交代しながら、
かなりの大人数が針抜糸を体験しました。
一番最後には「ロシアからの留学生」が出てきた時には、
私は医学の進歩のための人柱なのねと理解しました、、、

ちなみに肩から先は腕の痛覚がないので、下手な抜き方でも平気ですが、
肩から胸にかけては痛覚があるので、無理に抜かれると涙が出るくらい痛いです。
戦場ヶ原さんに口の中にホッチキスを打ち込まれるよりはマシですが、
痛いものは痛いです。
(このネタの分からない方は、西尾維新さんの化物語をご覧下さい。オモシロイヨー)

でも意地と気合で耐えました。
最後にロシアさんが最後の1本を抜き終えた時には、
無理に笑顔を作って、「ダスヴィダーニヤ」と拙いロシア語と手を振って送り出したのは、
意地と見栄のなせる業です。

さすがにホッチキス抜糸の後は、気が抜けて意識が飛びましたが。


大学病院なので入院中は、ときどき教授回診があります。
通常は「教授+スタッフ7~8名」で各部屋を回るのですが、
あきらかに私の大部屋に来ると見学者が急増します。
特に抜糸などの珍しい治療があった週など、
回診の最中に「特別講義」が始まる時もあるので、
周囲からの注目の眼なざしが痛かったです。

精神疲労のほうがツライ。


そんな感じで、完全に特殊症例として教育材料にされました。

そもそも何故ここまで特別対応されるのかといえば、
普通の「引抜きによる腕神経そう麻痺」だと、
腕機能が全廃しているので手術自体ほとんどありません。
あっても、せいぜい肩の脱臼防止のためにワイヤーを埋め込む程度です。

それに比べると私の場合は、神経の奇形であったため、
『神経引抜き+上位型・下位型麻痺の同時発症』という前例の無い症状となり、
後に学会で報告するためにも、治療記録や回復経過を詳細に得たかったのでしょう。
気が付いた時には、新人教育から医学レベルの向上の材料になっていたし。

退院後も定期検査でMRIやCTスキャン、筋電図など検査で調べるたびに、
『いつもよりサービスで多めにやっといたから!』などと、
にこやかに言われて、複雑な気分になります、、、


某○○さん、『前例がない症状だから特殊症例』という説明でOK?
さすがに分かったよね?
話が先に進まないから、ツッコミを入れるのは勘弁して下さい
 
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